こんにちは。Lensのナカザト(@LENS_BLOG_)です。
新しいレンズを使うのはワクワクするもの。価格コムでレビューをたくさん読んで、色んな記事を読んだり作例を見て、実際に店頭に足を運んで撮り比べた末に買ったものであればなおさら。最近奥さんを見ていて気付いたのですが、レンズを買うのは高めのコートやバッグを買うのと少し感覚が似ているのかなと。
長く使うものですし、特定の用途のものもあれば、毎日使うものもあります。悩んだ末に、結局似ているもの(同じ焦点距離)を買うときもありますよねw良いと思って買ったけど一度も使わなかったなんてこともあります。他の服とのコーディネート(他のレンズ資産との組み合わせ・住み分け)も大切です。うーん、やっぱり似てる気がする。
そんなこんなで今回は買うときにかなり悩んだ一本、SIGMAの「35mm F1.4 DG HSM」を紹介します。僕は35mmを買うのは今回が初めて。先ほどの例で言うと、これまでずっとモノトーンコーデだった人が、ちょっと冒険して赤のコートを買っちゃうみたいな感覚ですかね(笑)。
スペック
製品名 | 35mm F1.4 DG HSM |
焦点距離 | 35mm(単焦点) |
開放F値 | F1.4 |
絞り羽根枚数 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.3m |
最大径×長さ | 77×94 mm |
重量 | 667g |
フィルター径 | 67mm |
実勢価格 | ¥79,800 ~ ¥100,000 |
ARTシリーズと呼ばれるシグマのフラッグシップモデルであり、かつネット上ではその中でも最高傑作とも呼び声が高いレンズです。シグマのホームページを読むと、なんだかすごそうなことがたくさん書いてあります。
常に最新の光学技術を採り入れ、高性能なレンズを発売して きたシグマの新プロダクト・ライン第一号が、このSIGMA 35mm F1.4 DG HSM|Artです。
広角での撮影において、最高レベルの明るさと美しいボケ味を生み出す大口径F1.4の広角レンズ。浅い被写界深度を生かした撮影や、光量の少ない夕景、室内での手持ち撮影など、大口径F1.4ならではの画づくりが可能です。
シグマHPより
なんかもう読んでいるとすごそうですよね。それにも関わらず値段が10万円を切っているのは特筆すべきですね。比較表を下に記載していますが、純正のフラッグシップだと17万円以上しますからね!
そう考えるとかなりお買い得です。僕はラクマで6万円くらいで買いましたごめんなさい。
マウント交換
シグマは有料でマウント交換サービスをやっているため、カメラを乗り換えたときにも安心。レンズメーカーならではの嬉しいサービスですね。
シグマのHPを見たところ、本レンズの場合の交換料金は23,760円(2018年4月現在)。もちろんマウント部分を変えるだけで、新品になって戻ってくるわけではないので悪しからず。
比較表
AF-S NIKKOR |
AF-S NIKKOR |
SIGMA |
TAMRON SP 35mm F/1.8 |
|
焦点距離 | 35mm | 35mm | 35mm | 35mm |
解放F値 | 1.8 | 1.4 | 1.4 | 1.8 |
価格コム最安値 | 55,817円 | 174,800円 | 79,800円 | 44,920円 |
絞り羽根 | 7枚 | 9枚 | 9枚 | 7枚 |
重量 | 305g | 600g | 665g | 450g |
最短撮影距離 | 0.25m | 0.3m | 0.3m | 0.2m |
以前の記事でも載せていますが、同じ35mmでニコンFマウントはたくさんあります。純正のフラッグシップはさすがに値段高いですねぇ。それでもって、シグマは全レンズの中で最も重いというw
以前の記事で、悩んだ経緯や考え方なども含めて書いていますので、もしよろしければご覧くださいませ!
参考:SIGMAのARTライン、35mm F1.4を購入した理由を語ってみる
見た目
手が汚くてごめんなさい。このレンズとっても美しくないですか!?
黒と白のモノトーンで統一され、つるんとしたシンプルデザインのボディは、金属素材特有の鈍い輝きを放っています。レンズ部分は非の打ち所のない完璧な曲線を描いていて、外の光を複雑に反射。その姿はアップル製品のように無駄がなく、時間が許せばずっと眺めていられます。
レンズフードはかっこいい花形タイプ。こうやって置くとセルの頭みたいに見えるのは僕だけでしょうか。
側面にはARTを表す「A」の文字が刻印されています。
また日本で作られていることを示す、「MADE IN JAPAN」の文字が!これは嬉しくなりますね。実はシグマは金型からパーツまで、全てを会津の工場で一貫生産しているそうです。工場見学とかできたらいいなー。
D600につけると、少し大きいかなという感じ。ただまぁ、大きなズームレンズに比べればコンパクトなので許容範囲です。
前回記事で書いたニコンの85mF1.8に比べると、細くて背が高いことがわかります。純粋なるMade in Japanなのに欧米人体型とはこれいかに。
参考:【作例あり】AF-S NIKKOR 85mm f/1.8Gレビュー。最高の描写と携帯性を両立させた素晴らしいレンズ!
作例
何はともあれ作例です。ということでレンズ片手に外に行ってきます!
まずは六本木をブラブラ歩いた時のスナップ写真。35mmって慣れないと難しいですね。広めに写るだけに、何を撮りたいか分からない冗長な写真を連発してしまう危険性もあります。
僕の愛用してる85mmだと景色を自分で切り取らざるを得ないので、100人いたら100通りの写真が生まれます。35mmの場合では、目の前の景色をすっぽりとファインダーに入れることができるので、つい何に心動かされてるか分からないままシャッターを切ってしまう。この辺は慣れが必要ですね。
ちなみに、新しいレンズを買った時はレンズ一本だけを持って歩くことをおすすめします。特に単焦点。なぜなら必ずそのレンズを使うことになりますし、どんな被写体・シーンであってもその一本で工夫して撮らざるを得ないので自身のクリエイティビティが遺憾無く発揮されます。
レンズに頼らず自身の創造力をあげるための単焦点レンズ一本散歩、オススメです。
35mmはカフェなどの室内で撮り回すにもおすすめです。店内を広く捉えられつつも、超広角レンズのような誇張表現はなく、素朴な味わいの雰囲気がでるんです。
その場の空気感が伝わってくる心地よい写真が出来上がるので、誰でも扱い易いレンズだなぁと感じます。実際、飲み会で持って行ったらみんなに可愛がられてました笑
このレンズ持っているだけで、ふらっとフォトフォークに出かけたくなるから不思議です。買う前は「35mmって使いこなせるかな…」と半信半疑だった僕も、今ではカバンにいれておかないと不安になるくらい依存するようになっています笑。
ただし、665gという重さでかつ大きいので、カバンがかなり重くなるのは事実ですが笑
35mmって、街並みでスナップを撮るにちょうどいいんですよね。離れて全体の雰囲気を写してもいいし、寄ってダイナミックな写真に仕上げてもいい。自分が好きに動き回れる空間で力を発揮します。
せっかくF1.4の明るいレンズだから、F値を下げまくってボケボケの写真も撮りたいですよね。ピントの合った部分はカリッと解像され、それ以外の部分はフンワリとろけていきます。F1.4で撮ると合成かと思うくらい、背景と被写体が分断される。ボケ味も柔らかくて個人的には大満足です。
シグマは色味があっさりしていて寒色系という評価がされることが多いです。ニコンの純正レンズと全然違うので好み分かれるとのクチコミも。
僕は必ず現像の段階で自分好みにするので色味はあんま関係ないなーーと思ってたんですがw、たしかにこのレンズ、青が綺麗に写ります。上の時計の写真の青とか、他のレンズだとこんなに綺麗に映らない。僕は無類の青い写真好きなので、これは嬉しい仕様。
三脚を使ってF16まで絞った写真たちです。ここでもやっぱり、青が綺麗に映ってますね。2枚目の写真はシャッターを切ってる間にピントをずらしてボケさせてます。動きが出るのでちょっと面白い。
このレンズは風景写真に使っても面白そうです。美しい風景をカリッカリに解像させてレンズのポテンシャルを試したい衝動にかられます笑。よし今度、風景写真撮りに行こう。
人を撮った写真たち。周りの風景を活かしつつ人を撮りたいときには35mmの出番です。リアリティのある写真が撮れるので、旅先で出会った人たちを撮るときにも力を発揮してくれそう。
今後たくさん撮っていって自分なりのスタイルができたらいいな。
今一歩な点
一ヶ月使用している限りでは、特に不満は感じませんでした。あえて言うとすると、多少重いということくらいでしょうか。頑張って筋トレしますw
他の方のレビューを読むと、フォーカスが前ピン/後ピンになっていたり、ライブビューでオートフォーカスが効きにくかったりといったAF関係のトラブルが多いようでした。僕自身はどれも該当するのがないため、個体によってけっこう違うのかもしません。
最後に
改めて、このクオリティのレンズを10万円切る値段で使えるのは本当にすごいことだと感じます。噂にたがわぬ最高のレンズで、買ってよかったとホッとしてます。35mmを使ってる人にはもちろん、初めて挑戦する人にもオススメの一品です。
ARTシリーズが好調で最近はノリに乗ってるシグマさん。日本の会津工場でしか生産していない職人気質なところに、男心をくすぐられるものもあります笑
これからもシグマのレンズは随時チェックしていきたいと思ってます!