こんにちは。ナカザト(@LENS_BLOG_)です。コロナウィルスの影響で外に出れない状況が続きますね。僕は東京に住んでいるのでしばらく週末は外出自粛です。ということでせっせとブログを更新。
最近、オールドレンズをニコンZ 6に付けて撮影するのにハマっています。マニュアルのレンズはちょっと使うのが面倒臭いんですが、なんとも言えない淡くて懐かしい描写が楽しいんですよねぇ。
今回、僕の使っているレンズ「AI Nikkor 50mm f/1.4S」の魅力について語ってみます。
AI Nikkor 50mm f/1.4S
AI Nikkor 50mm f/1.4Sは1981年に発売されたマニュアルフォーカスのレンズで、約40年たった今も現行品というすごいレンズ!
現在も新品が販売されているのでオールドレンズと言っていいのか微妙ですが、フィルム時代に作られたマニュアルフォーカスレンズということでオールドレンズと言いきって進めます笑。
スペック
製品名 | AI Nikkor 50mm f/1.4S |
焦点距離 | 50mm |
レンズ構成 | 6群7枚 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.14倍 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
フィルター径 | 52mm |
寸法 | 約63mm(最大径)×40mm(長さ:バヨネット基準面からレンズ先端まで)、全長約50.5mm |
質量 | 約250g |
軽くて小さいのが特徴です。絞り羽根が7枚なので、絞り開放にくるとカクカクした絞りが見えてしまいますが、それもまた味と考えれば良いかなと。
このレンズだけ見ても分かりづらいので、他製品とのスペック比較も載せておきます。
製品名 | AI Nikkor 50mm f/1.4S | AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G | NIKKOR Z 50mm f/1.8 S |
焦点距離 | 50mm | 50mm | 50mm |
レンズ構成 | 6群7枚 | 7群8枚 | 9群12枚 |
最短撮影距離 | 0.45m | 0.45m | 0.4m |
最大撮影倍率 | 0.14倍 | 0.14倍 | 0.15倍 |
絞り羽根枚数 | 7枚 | 7枚 | 9枚 |
最大絞り | f/1.4 | f/1.4 | f/1.8 |
最小絞り | f/16 | f/16 | f/16 |
フィルター径 | 52mm | 58mm | 62mm |
寸法 | 約63mm(最大径)×40mm | 約73.5mm(最大径)×54mm | 約76.0mm(最大径)×86.5mm |
質量 | 約250g | 約280g | 約415g |
マウント違いますが、Zマウントのレンズも載せておきました。比較すると、他のレンズと比べて重量はもちろんですが、太さや長さも一回り小さいことが分かります。小さいは正義。
またフィルター怪が52mmと、最近のフルサイズのレンズに比べるとかなり小さいです。フィルターはサイズによって金額が大きく異なるので、保護フィルターなどは安く済ませられるのが地味に嬉しい笑
魅力① どこか懐かしい色合い
絞り解放で写すと、最近のカリッとしたレンズとは違うフワッとした写りになります。ソフトフィルターを付けたような。ピント面も少しボヤッとした感じで解像感は低いし周辺の光量も落ちてしまうんですが、その代わりノスタルジックで情緒的な雰囲気に仕上がります。
一方で、数段絞ればカッチリと解像してくれます。逆光などの厳しい環境でなければ、コントラストもしっかりと出るし、最新のレンズと遜色ありません。開放と絞った時のギャップが面白いんですよね。
ただ、色味はやっぱり新しいレンズと異なります。空や青い被写体を写すと特に強く感じるんですが、郷愁を誘われるような、心の深い部分に訴えかけてくるような色が出るんですよね。なんだか、不思議な魅力を持っています。
ここに掲載している作例は全部レタッチをしています。「レタッチをするんだったらどのレンズでも同じでは?」と思うかもしれませんが、本質的な描写が違うので同じようにレタッチしてもなかなか再現できません。
新しいレンズの描写力について話される時、MTF曲線の数値とか、拡大して四隅が解像しているかとか、絞り羽根が何枚かといった分かりやすい指標を評価しがちです。でも実際にはそういった指標よりも、使ってみて「なんとなく心惹かれる色合い」といったような情緒的で言語化しづらい価値の方が道具選びでは大切なのかなとも思います。
魅力② フレアやゴーストが綺麗に写る
「オールドレンズは逆光を撮っていれば幸せになれる」ということわざがあるのを見れば分かる通り、オールドレンズと逆光の組み合わせは最高です。(もちろんそんな諺はありません冗談ですw)
光を画面上に入れるか、画面近くに光源がある場合、全体のコントラストが落ちてふんわりした絵になったり、ゴーストと言われる円形の光の像が写ったりします。このレンズは古いレンズにしてはかなり優秀なので写りにくいのですが、上手くハマるとオールドレンズらしい最高に美しい表現になるんですよね。
はぁぁキレイ!
シャッターを切ると目には見えない光が写りこむので、いつもの散歩コースも急に非現実的に、ドラマチックに見えたりします。どこか懐かしい、ノスタルジックな物語が頭に浮かんだり。
ちなみにゴーストは光源の対角線で出るので光を画面の端の方か、少し画面外に出すと良い感じに写ることが多いらしいですよ!
③一枚一枚を大切にするようになる
マニュアルのピント合わせって面倒くさいですよね。ピントを合わせるのにかかる時間って無駄だし、フォーカスを頑張っていじってる隙に良い瞬間を撮り逃してしまうこともある。
でも実は悪いことばかりじゃないんだなと最近気付きました。一枚一枚時間をかけて丁寧に撮るようになるから、「撮ってる感」があって楽しいし、結果的に仕上がりのクオリティがあがったりもするんですよね。
マニュアルレンズでは構図を決めてからシャッターを切るまでの間にタイムラグが発生するので、その間に本当に今の構図で良いのかを自問自答するようになります。
フォーカスを合わせている間に「待てよ、この部分が写らないように構図をちょっと変えた方がいいかも」とか「光の位置を少しずらした方が良くなるかも」とか微調整するケースが出てきます。これによって、クオリティがあがるんですよね。
「神は細部に宿る」と言いますが、ディテールのこだわりは大きな差になってくるものだと思います。写真が上手くなるレンズと言っても大袈裟ではないでしょう。
ミラーレスとオールドレンズの相性は抜群
写真をお見せしつつ、AI Nikkor 50mm f/1.4Sの良さについて語ってみましたいかがでしょうか!?もし欲しくなったという方がいらっしゃいましたら、ぜひ手にとってみてください。後悔はしないはずです!
僕ももっと使いこなしていって、随時、上の作例を追加して行くつもりです。
あと最後に一点だけ言いたかったことがあります。
「ミラーレスとオールドレンズの相性は最高!」です。ミラーレスにはピントを拡大して確認しながら撮れる機能があるから、オールドレンズをとっても使いやすいんです!
もちろん、ピンボケした写真にも味があったりもするのですが、やっぱり基本的にはピントを正確に合わせたい。そう考えると、EVFをのぞきながらピント面を拡大して調整できるのは大きなメリット。
最新のカメラによって、古いレンズの魅力を再発見する。なかなか面白い関係性だなぁと思います。