緩くてアツい素敵な本、「ほぼ日刊イトイ新聞の本 」のレビュー

こんにちは。文章を書くのが苦手な@LENS_BLOG_です。

自慢じゃありませんが文章を書くのが苦手です。そして遅いです。言葉がどんどん出てきてサラッと文章を書き上げるなんてことは全くなく、職場での業務メールも資料作成はもちろん、Twitterやfacebookといった一言でさえも悩みながら絞り出しています。

こういったブログなんかもっての他。毎回うんうんと唸りながらディスプレイと睨めっこして、恐る恐るキーボードを叩きます。ようやく良いとこまでいったと思ったらまた戻って修正してみたり。いつも、30分やそこらで何千文字も書ける人がうらやましいと思っています。

「サラッと良い文章書き上げちゃったわぁ(ドヤ)」って感覚を少しでも味わいたくて、色んなハウツー本を読んだりしているのですが、一向に改善されず。そんな日々で自分が出会ったかけがえのない一冊の本が、今回ご紹介する本です。

直接的に文章力のあがる方法が書かれている訳ではありません。どちらかというと、ブログを運営する上での心構えを教わった感じです。

どんな本か

有名なコピーライターである糸井重里さんが、ご自身のサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を作るにいたった経緯と、リリースした後のドタバタを綴ったエッセイです。

糸井さんを何となくしか知らない人からすると、糸井さんと言えばコピーライターが本業であって、「ほぼ日」は副業的なノリで緩く運営しているものだと思っているかも知れません。でもこの本を読めば、並々ならぬ情熱と覚悟をもって「ほぼ日」を始めたことが分かります。

日本や広告業界に対してどんな課題意識を持っていて、なぜほぼ日を始めたのか?ほぼ日はどんなビジョンやこだわりをもって運営されているのか?

ほぼ日に込められた思いと、そこにいたる過程は、ブログをやっている人だけでなく、全ての仕事人にとって気付きが得られることは間違いありません。

…とそう聞くとなんか苦労話と自慢話が混じり合ったいつものビジネス書(言ってることわかるけど鼻に付く)かぁ思ってしまいますが、実際には全くそんな感じではありません。

傲慢な感じや鼻につく感じは全くなく、糸井さんの独特な文体によって、どこか緩くてほのぼのとするんです。小説っぽいというか。だからこそ胸に刺さるのかもしれません。

読んだ感想

この本を一言で表すと「ゆるくてアツい」。

色んな葛藤や苦労があったようですが、糸井さんのどこかのんびりとした独特の文体がそれを中和して、まるで箱庭の中で起こってる出来事のようにかわいらしく感じます。どうやったら日常をそんなに面白く書けるのかというくらい、読み始めるとすぐに時間が経ってしまいます。

でも、それでいて端々でイトイさんのものすごくアツい思いがぶつけられていて、またそれが説得力のある内容だったりするので、とても勉強になる本でもあります。

この本を読んで、「自分も何かに一生懸命にならなきゃ」って気持ちになったのと、「サイトやコンテンツ作るのって本当にエキサイティングでおもしろいな」って感じました。

心に残った言葉

ぼくは「多忙は怠惰の隠れ蓑である」というフレーズを、意味がよくわからないままに妙に気に入っていた。…中略…多忙なときっていうのは、現実的な問題がいっぱいあって、それを現実的に解決したり、解決しかかっている状態だ。

そういうときというのは達成感もあるし幸福感もある。ちっぽけなヒロイズムも満足させてくれるかもしれない。

だが、そういうときに欠けていきやすいものがある。「なぜ」という疑問とか、大きな視野とか、人間の感情とか、すぐに役立たないようでいて大事なことだ。

協議主義的な意味でいうことではないけれど、哲学にかかわるような問題が、忙しいときにはすっぽり抜け落ちていることが多い。

ほぼ日刊イトイ新聞が軌道に乗ってきたにも関わらず、徹夜が当たり前という社員がいたのを見て糸井さんが思い出した言葉。それが「多忙は怠惰の隠れ蓑」でした。

僕も普段仕事をしている中で、忙しいと思っている時はちょっとした達成感があったりして、「なぜ」という疑問とか、一番大切なことを考えなくなります。忙しいときこそ、忙しさに安住せずに気を引き締める必要があるなぁと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか?

僕はこの本を読んだあと、ほぼ日を毎日見るようになり、やっぱり糸井さんの文章や考え方は素敵だなと思うようになりました。

本書はブロガーはもちろん、すべての社会人にとってオススメです。特に、日々の仕事に対して何となくやる気が起きない方や、なにか情熱を注ぐことが出来なくなった方は、本書を読んでハッとすること間違いなしです!

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プロフィール

Kenta Nakazato
平日は写真関連の企業に勤め、週末は写真を撮ってます。
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