「お前一眼レフ持ってるじゃん。俺の結婚式二次会でちょこっと撮影してくれない?テキトーに撮ってくれるだけでいいからさ」
一眼レフを持っている人なら、誰しも一度はこんなことを言われた経験があるんじゃないでしょうか?でもよっぽど慣れた方は別として、趣味で好きに撮っている人にとっては「カメラ持っているといっても趣味で撮っている程度だし、一生に一度しかない大切な場で写真撮る自信なんてないよ…」と思うでしょう。
僕も以前はそうでした。そもそも二次会は写真を撮る人にとってはすっごく過酷なイベントです。お店の照明が暗かったり、人が多くて上手く身動きが撮れなかったり、予想していなかったことが起きたり…
でも友人の二次会を撮ったり、プロの人に色々と聞いたりしていくうちに段々とコツがつかめてきて、2017年の9月からは正式に撮影依頼を受け始めています(詳細はコチラ)。最近ではそこから派生して、パーティーなどイベントの撮影依頼も頂くようになってきました。
Lensでは2回にわたって、初めて二次会の撮影を依頼されたという方向けに、どんなことを気をつけなければいけないか、何を持っていくべきかなどを紹介したいと思います。第一回の今回は事前準備から会場入りまでと、当日の持ち物までを描いていきます。
準備① 依頼のガチ度を確認
まずは依頼主がガチで依頼してきているのか、それとも軽く撮れば良いのかを確認しましょう。「まぁ一眼レフさえ持ってテキトーに撮ってくれればいいよー」というようなライトなケースと、「xxは写真上手いから二次会の写真撮ってよ。お礼はするからさ」というケースでは全く異なります。
前者であれば特に気負うことなく、気楽に練習感覚で撮影にのぞめます。一方で後者は新郎新婦との関係値にもよりますが、期待されている訳ですからそれなりに覚悟しなくてはいけません。二次会で初めてカメラを持参するというような方の場合は、お礼は辞退するのが無難です。
準備② 期待値コントロール
撮影に自信がない場合には、ちゃんと撮れるか分からないことをきちんと相手に伝えましょう。普段写真を撮らない方は、写真が上手いかどうかや初心者か上級者はあまり分からない場合が多いですし、二次会撮影の難易度が高いことが伝わらないことも多いです。
ただでさえ一眼レフを使っての撮影は、iPhoneなどの撮影よりも難易度が高いです。場合によっては決定的な瞬間でピンボケや手ブレ写真を量産してしまう可能性だってあります…
新郎新婦はあなたのSNSなどの写真を見て、この人だったら良い写真撮ってくれるだろうと期待して頼むはず。自信ないのであればそれを正直に伝えて理解して頂かないと、あとあとガッカリさせてしまう可能性もあるので注意です!
準備③ 会の概要や流れを頭に入れる
何も知らない状態で二次会に向かうのではなく、新郎新婦や幹事の方から事前に概要やスケジュールを入手しておきましょう。会場がどんな場所で、何名くらい参加するのか、どんなイベント(ケーキカットはあるのか、余興は何をやるのかなど)が発生するのかを確認しておきます。
それによって事前にイメージトレーニングすることができ、心の余裕が生まれます。僕の場合は予め情報をもらったら、どのイベントの時にどの角度でどんな風に撮影するかをイメージしておくようにしています。
心の余裕を持つことは意外と大切で、余裕がないと色んなことを見逃してしまいます。後になって「あれを撮り忘れちゃった…」「こういう風にも撮っておけばよかったな…」と後悔するのは嫌なので、なるべく準備はしておきましょう。
準備④ 早めに会場入り
当日はなるべく早めに会場入りするようにしましょう。会場で受付がどこになるのか、新郎新婦の入場口はどこか、ケーキカットはどこで行われるのか、余興はどこでやるのかなど、一通り場所の確認をしておきます。撮り損じを防ぐことにもなりますし、心に余裕を持つことも出来ます。
また、早めに入ることで新郎新婦の友人たちが準備をしている様子も写すこともできます。受付や司会の方など早く来て頑張っている姿は新郎新婦が見れないシーンなので、写真を渡すと喜んでもらえます。
持ち物① メインカメラ
ここからは当日の持ち物を書いていきます。まずはカメラ。
二次会は暗いので、高感度に強いカメラが望ましいです。僕はNikonのD4Sを使っていますが、こんなに大きなカメラでなくてももちろん大丈夫です笑。
種類としては一眼レフが望ましいですが、最近のデジカメは優秀なので場合によってはデジカメでも問題ありません。ただ、その場合にはraw現像が出来る上位機種が良いでしょう。
持ち物② サブカメラ
こちらはあればベターというもの。僕はNikonのD600をサブカメラとして持参しています。
カメラを二台持つことによって、レンズ交換の回数を減らすことができるのでスムーズに撮影することができます。僕の場合は単焦点レンズに強いこだわりを持っているので、一台に中望遠レンズを付けてもう一台に広角レンズを付けるようにしています。
二次会ではズームしてアップで撮りたいこともあれば、全体の雰囲気を広角で撮りたい場合もあります。カメラを二台持つことで、役割分担させることが出来るので便利です。また、二台持っておけば、もし一台に何か不具合があった場合でも大丈夫なので安心ということもあります。
持ち物③ レンズ
レンズはカメラマンの趣味趣向によって変わります。前述した通り僕は単焦点レンズが好きなので、広角レンズの28mm F1.8と中望遠レンズの85mm F1.8を持参しています。単焦点レンズでF値を下げるとピンぼけリスクは高まりますが、その分明るく撮れるので暗所で力を発揮してくれます。
カメラ一台の場合や、単焦点へのこだわりが強くない場合は標準ズームレンズでも全然問題ありません。ただ、何にせよ二次会はメチャクチャ暗い場合がほとんどです。ズームレンズの場合にはF2.8通しなどの明るいレンズか、手ぶれ補正付きが良いでしょう。
持ち物④ ストロボ
ストロボはあれば絶対持っていった方がいいです。何しろ暗い場合が多いですからね。カメラについているストロボを使うのではなく、別売りのストロボですね。僕はニッシンのDi700Aというストロボを使用しています。※以前コチラの記事で紹介
カメラのストロボを使わない理由は、正面に向けて発光すると立体感のない不自然な写真になってしまうからです。ストロボは必ず、ストロボを上を向けて天井からの反射光(天井バウンスといいます)で撮影をします。
このために購入するのも難しいでしょうから、あれば持っていくということで良いかと。高感度に強いカメラやF値の低いレンズがあれば、なんとかなります。
今回は事前準備と持ち物について書いてみました。次の記事では当日の動きや撮影のノウハウを書いています。こちらもチェックしてくださいませ!
二次会の撮影を頼まれたらやるべきこと〜当日の動き・撮影の心得〜