こんにちは。@LENS_BLOG_です。3月になり、暖かくなってきて春の訪れを感じ始めた今日この頃です。
さて3月といえば卒業シーズン。4月以降の新しい生活をスタートするにあたり、これまでの環境に別れを告げる涙の多い季節です。環境が変わったところで仲の良い友人や同僚との関係がなくなる訳ではありませんが、やっぱり寂しさと不安を抱くのはみんな一緒です。
そんな中で僕は新卒から9年間も務めたインターネット企業を退職し、全く違うカメラ業界に転職します。今回は何故辞めることにしたのか、何故その業界を選んだのか、理由を書いていこうと思います。自分語りなので気持ち悪いかもですが…
長く勤めた大好きな会社なので、辞めるにあたっては散々考え抜いた上で決断しました。リスクやこれまで築いてきたキャリアを捨てることの意味も自分なりに分かった上で今回の選択をしています。自分の考えを暴露することで、将来に漠然とした不安を抱えている方や、なんとなく今の環境を変えたいと思っている方の参考になれば幸いです。
前提:今の会社に不満はない
僕は新卒からずっと今の会社に在籍していまして、合計で9年間勤めてきました。9年前は右も左もわからない23歳の若者だった僕も、今ではけっこう多くのメンバーがいるチームの管理職。中性脂肪も気になる32歳のおじさんになりました。
前提として、今の職場環境に不満はありません。やりたいことにドンドン挑戦させてもらえますし、和気あいあいとした職場なので働いていて楽しいです。上司は優しくて部下思いですし、メンバーはみんな頼もしくて大好きなチーム。給料にも特に不満はありません。
その他にもテレワークが可能だったり、副業OKだったり、ボランティア活動をした場合に有給が貰えるなど、ワークライフを良くする面白い制度が整っていたりもします。人事制度は色々あるけど実際には周りの目を気にして行使しにくいという話もない。中から見ても外から見てもとっても良い会社だと思います。
現状に不満があって転職する訳でも無ければ、給料をあげたいと思って転職をする訳でも無いのです。
好きを仕事にしたい
じゃあなんで今の仕事を辞めるのか?それはもうこの言葉に集約されます。
「好きを仕事にしたい」
何だか安っぽく軽々しく聞こえるかもしれませんね笑。自分勝手なフレーズですし、家族もある30歳を超えたおっさんが言っていい台詞なのか疑問です。逆に「好きを仕事にするべきじゃない」という考え方も昔、就職活動していた時によく聞いた言葉ですw。
でもでも、「好き」って感覚は仕事をする上で何よりも大切じゃないですか?
仕事をする上では勉強もしなければいけないですし、「もういやだ…」って思うような困難にぶち当たることは凄まじくたくさんあります。そんなときでもそれをやりたい、成し遂げたいという強い思いがあるからこそ粘れる訳ですし、粘ったからこそ成長もするし実績も出る訳ですよね。そんなもんだと思うんです。
「パッション」「モチベーション」「wants」。言い方はなんでもいいですが、「やってやるぜ!」という強い思いこそが自分を動かすし、人を動かす原動力にもなります。
僕は組織の中で長く人材育成の担当をやっていました。色々な教育プログラムを企画したり、後の成り行きを見守っていました。その中で分かったのは、やっぱり強いモチベーションを持つ人が一番成長するということでした。モチベーションがない人は、どれだけ成長を支援する制度が整っていたとしても本質的な意味では学ばないんですよねぇ。
ちなみに有名な教育の名言で、下記のような言葉があります。
凡庸な教師はただしゃべる。よい教師は説明する。すぐれた教師は自らやってみせる。そして、偉大な教師は心に火をつける。
ウイリアム・アーサー・ワードさんという教育者の神がかり的な名言。心に火がつけば吸収力が違うし、自信で学ぶようになりますよね。教える立場の人は、こうあるべきです。
あれ、気付いたら話がメッチャそれてしまいましたw
モチベーションの源泉は人それぞれですが、根底にあるのは「好き」という感覚。「この仕事が好き」「この企画が好き」「この商品が好き」「この会社が好き」「感謝されるのが好き」「お金が好き」「権力が好き」。人によって色々ありますが、突き詰めていくと「好き」という感覚に行き着くと思います。
好きこそものの上手あれって諺、真実だと思うんです。
では僕にとって一番「好き」なものは何なのか?これまで歩んできたキャリアや知識を一旦度外視してみて自分と向き合ってみました。自分はどんな人になりたいんだろう?どんな働き方をしたいんだろう?どんな生き方をしたいんだろう?何をしているときが一番生き生きしているんだろう?人生を賭けて挑戦したいと思えるものって何だろう?人生の夢って?
そうやって内省していって行き着いたのが、カメラ・写真だったのです。だから僕は今までのインターネット企業から離れて、全く畑違いのカメラメーカーに転職することにしました。
リスク
現在、カメラを取り巻く市場の状況は厳しいものです。以前記事にも書きましたが、スマホの技術進歩によりカメラ市場は年々縮小の一途をたどり、10年前の約2分の1という状態です。僕自身も、おいおい将来性ヤバくねぇかと思ってます笑。
そんなこともあってか、今回転職するにあたって、「カメラ市場ってオワコンじゃね」「好きってだけじゃ無理だよ、リスクあるよ」「xx社(←入社する会社)って会社的にどうなの」「これまでのキャリア捨てて大丈夫なの」といったネガティブな声も周囲から聞こえてきました。当然ですよね。僕もあまり知らない第三者としてこの選択を聞いたら同じような反応をしていたと思います。
でも僕は今回、リスクを承知の上で好きという感覚、やりたいという思い、成し遂げたいという志を優先させました。
これが趣味として好きとか、仕事にしたら嫌いになってしまう不安があるとか、そういうレベルであれば選択しなかったはずです。例えば僕はカメラの他にランニングが趣味ですけど、それを仕事にしようとは思わないですから…。
僕にとってカメラはライフワークであって、単なる趣味レベルの好きとはちょっと違うんです。もし自分がこのメーカーの人だったらここを変えたいなと妄想したり、カメラ業界を盛り上げるために何が必要か考えたり、写真を文化として根付かせるためにどうすればいいか考えたり…「誰なんだよお前w」という視点でいつも考えを巡らせていますw。言葉にするとキモいですね。だから年収が下がろうが、役職なくなろうが、会社の業績悪かろうが行くことを決めていました。
本来であれば好きを仕事にするって、そこまで腹をくくらなきゃいけないんだと思います。自分の心の声と会話して、覚悟と学び続ける意思がなければ選択すべきではないかと。そこまで考えないでうわべの好きで仕事を選んで失敗したり後悔する人がいるから、「好きを仕事にしてはいけない」なんて謎の迷信が生まれるんです。
とはいえ、リスクだけではなく今後の可能性も想定しました。一眼レフやデジタルカメラという観点では「カメラ」市場は縮小の一途をたどっていますが、インスタを始めとするSNSの登場によって「写真」の裾野は広がって来ています。LEICAのようにスマホにレンズを提供する会社もあれば、Go Proを始めとしたアクションカメラが盛り上がりを見せたり、ドローンを使った空撮のように新しい周辺市場が立ち上がっていたりもします。今後もまだまだ、カメラメーカーはイノベーションを起こせると信じてます。
副業が教えてくれたこと
今回の転職を後押ししてくれた要素として副業があります。最後にそこをお話させて頂きます。僕は昨年からウェディング撮影の仕事を受け付けておりまして、最近ではとってもありがたいことにご依頼を頂くことが増えてきました。
新しい会社で引き続き副業が出来るかは別としてw、副業が教えてくれたことが2つあります。
2.なんとかこの身一つでもやっていけること
1は言わずもがなです。責任が生じるので撮影が辛くなるときもありますし、撮影中は神経を張り詰めているので疲れますが、その半面で新郎新婦の方に喜んで頂いたり感謝して頂いたりすると、言葉にならないほど嬉しいです。「一生の思い出になった」「あなたに頼んでよかった。ありがとうございました」。そんなことを聞いた日には、このありがとうのために生きているんだなって思えるほどです笑。好きなことを仕事にするのって、本当にエキサイティングです。
2はちょっと傲慢ですし先走った言い方ですがw・・・副業をしたことで、仮にリストラされても会社がつぶれても何とか生きていけるんだなって実感できたのです。自分のスキルを磨き続けて、アウトプット量を増やし、アグレッシブに動いていけばお金は後からついてくると分かったんです。
副業する前はリスクばかり考えてしまっていました。「全然自分とあわない環境だったらどうしよう・・・」「もし失敗したらその数年分取り戻せるのかな・・・」「この会社を離れてやっていけるだろうか・・・」とかとか。そのくせ、夢を追いかけてリスクとってチャレンジする人を見ては、この人はいいよなぁと憧れを抱いたりするw
社内の異動でも転職でもそうですが、環境を変えた時に起こるリスクばかりに目がいってしまって、変化しないことのリスクを考えていない。自分が本当にやりたいことや好きなことに正直に向き合えていなかったんです。
それが副業によって「まぁ何かあったとしても、別に何とかなるな」というマインドになった。だから今までよりワイルドなチャレンジも出来るようになったんです。これは副業がもたらした大きな変化でした。
最後に
まだ新しい環境で働き始めていないので、今回の選択が自分の人生において失敗なのか成功なのかはわかりません。でもまぁ、失敗しても死ぬわけではないし。やらないでぐちぐち後悔するより、挑戦しちゃった方が精神衛生上いいですからね!決めた以上は必死にがんばります。
無事成功した暁には、「好きを仕事にしてはいけない」というロジックに対して「いや、好きを仕事にすべきだよ」と反論したいと思ってます笑。まぁ好きを仕事にするといっても、好きなカメラメーカーに転職するっていうだけで、音楽が好きだからミュージシャンになるって言って家を飛び出すのとは違いますからね笑。誰でもできるような挑戦ですwだからこそこの記事を書いたんですが。
気付いたらなんだか長々と、とりとめもなくダラダラ書いてきてしまいました。それではこの辺で!一回きりの人生、悔いのないように過ごしましょう!